本公開シンポジウム「地球時代の未来を設計する:場の論理の展開」は情報教育研究所が推進してきた学習者主体の共創的学習の場の創出ならびに本年度より3年間にわたって科学研究費補助金挑戦的萌芽研究の助成を受けて進めることとなった『「場の言語学」の構築:場の意味論と語用論』の研究活動の一環としてNPO法人「場の研究所」の協力を得て企画するものである。
第一部では「場」の理論の創始者清水博氏が、思想的構想としての場の設計原理について論じる。場の思想に基づいた相互誘導合致の技術や二重生命の原理を生かすことの意義、また日本人のこころに根ざした場の原理が、普遍的な概念として地球時代の哲学となりうることを論じる。
第二部ではビジネス界で世界をリードする出井伸之氏が、「場の論理」に基づく実践的構想の一つとして、アジア、そして世界における日本の今後の在り方を示す。日本の立ち位置を決める必要性、アメリカと中国との関係をふまえ、世界の中での日本の将来像などについて「場の論理」に基づいて論じる。
第三部では社会インフラとしての言語コミュニケーション研究について検討し、井出祥子氏による提言と原田康也氏による討論を行う。「場の論理」の言語コミュニケーション研究への適用は、言語使用者の実感に即した理論化を可能とし、そのことを通じて世界の言語研究への日本からの貢献となる可能性を秘めていることを示したい。
本公開シンポジウムが、「場」の思想の現実社会での実践、「場」の思想的側面にかかわる考察、その適用としての諸研究分野を相互に活性化する議論となることを目指すとともに、相互誘導合致のための「場」を生み出すことを期待する。本公開シンポジウムの開催を通じて、現在の日本が内包する課題を解決する上で「場」の理論が持つ意義を広く一般の人々に示し、進むべき方向性を見失ったかに見える日本社会が未来に向かって大きく踏み出す第一歩となることを願っている。
12:45 | 開場 | |||
13:15 | 開会 | |||
13:15-14:30 | 第一部:場の設計原理と日本のこころ | |||
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14:30-14:45 | 休憩 | |||
14:45-16:00 | 第二部:日本の役割と場の原理 | |||
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16:00-16:25 | 休憩 | |||
16:25-17:30 | 第三部:場の言語学:社会インフラとしての言語コミュニケーション | |||
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17:30 | 閉会 |